『超獣戦隊ライブマン』最終回「大教授ビアスの崩壊!!」レビュー

さる御縁で、今月CS東映chでオンエアされた『超獣戦隊ライブマン』の最終4話を拝見する事が
出来ました。『ライブマン』は15年以上前にオンエアされた戦隊作品のうち、一番最後にリアルタイムで
見た記憶のある戦隊作品。ただ、今までまったくソフト化されていなかった為、その記憶がどれほど
確かであるか、確かめるべくもありませんでした。

因みに今までで一番よく覚えていた『ライブマン』の記憶は、「最終回近辺で少年に若返った敵の親玉が、
ひっ捕らえたか何かしたライブマンのブルーと二人っきりでご馳走パーティーを開いて真情をさびしげに
吐露する」・・・ってのだったのですが・・・(以下豪快ネタバレ注意!)




とりあえず記憶が該当していたと思われるのは、最終回『大教授ビアスの崩壊!!』のシーン。
タイトルにもある「大教授ビアス」というのが、『ライブマン』の敵・「武装頭脳軍ボルト」の長で、
私めの記憶に残っていた「敵の親玉」です。

最終回一回前。宇宙に浮かぶボルトの要塞・ヅノーベースにて、潜入を許したライブマンのリーダー・
レッドファルコンとの対峙の末に身を貫かれ、常の姿より遥かに老いた真の姿を晒してしまった大教授
ビアスですが、彼を盲信し続けた最後の部下・ドクターケンプが捧げた千点頭脳の力を借りて、少年に迄
若返ります。ビアスはヅノーベースを地球に降下させ、自ら作り出した頭脳獣・デンシヅノーとともに、
地球総攻撃を開始。この時、少年王ビアスは要塞内のテーブルいっぱいに、とってもおいしそうな
ご馳走を広げています。でも、テーブルに座っているのはビアス只一人。ご馳走をいそいそと準備する
腹心ロボットのガッシュは立ちっぱなしですし、レッドファルコンは変身を解除されて捕らえられ、
十字架に磔になっており、また、他のライブマン達は地球に残留しているため、ライブマンのブルー、
もといブルードルフィンは、ここにいる筈もありません。

・・・あれ?ご馳走パーティーにブルーいないの?

やがて、ヅノーベースの非道を止めるべく、地上からスーパーライブロボがヅノーベースに突進。最初は
「カモンベイビー!!」なんて仰って余裕だったビアス様ですが、いざ突進を受けてしまうと、
ヅノーベースは激しい振動と共に地表へ墜落。その衝撃で、折角のご馳走も全部引っくり
返されてしまいます。

この引っくり返ってしまったご馳走のシーンは、見て「勿体無い!」と思った記憶があるので絶対見てる
筈なのですが、覚えてるのとシチュエーションが一寸違う・・・。ブルーいないし・・・(しつこい)

さて、話を本編に戻しますと・・・

墜落してしまったヅノーベースから這い出るビアス。流れる自らの血を見て、ライブマンへの憎悪に
燃えますが、そこをライブマン4人に見つかってしまいます。ビアスは、手にしたケンプの脳の入った
カプセル(ビアスが若返った後に手乗りサイズに縮んでしまったもの。このカプセルが少年王ビアスの
武器なのです)で応戦。でも、続いてヅノーベースから脱出したレッドファルコン・天宮勇介に正体を
バラされた上に脳カプセルを奪われ、多勢に無勢に・・・。絶対絶命ビアス様!

でもその時、デンシヅノーとガッシュがビアスを守る為、ライブマンの前に立ちはだかります。
ライブマンは全員変身し、交戦開始!この隙にケンプの脳カプセルを取り戻し、逃げ出すビアス。
それを追うのはブルードルフィン。やがて、人ッ気のない浜辺の洞窟にて、ビアスはついに血痕を
追ってやって来たブルードルフィンに、追いつかれてしまいます。

対峙の末にブルードルフィンはビアスの手からケンプの脳カプセルを弾き飛ばし、銃口をビアスに
突きつけますが、理屈では眼前の少年が憎きビアスと分かっていても、子供の姿の彼を撃つ事が、
どうしてもできない・・・。そんなブルードルフィンの姿を、ビアスは嘲笑します。

「撃てまい!僕は子供だから撃てないんだ!!撃てない!御前には撃てないぞ!?御前は僕に、
生まれ変わって欲しいと思っているんだ!御前の心位、手に取る様に分かるのだ!僕が心を
取り戻したら、真人間になれると思っている。そうだろう!だから御前には撃てないんだ。」

恐るべきビアスの言葉に、後ずさるブルードルフィン。
どうにか銃を構えなおすも、更にビアスの言葉が突き刺さります。
「撃てるものなら撃ってみろ!・・・撃ってみろ!!」

其処迄言うと、ビアスは急にかがみこんでしまいました。傷が痛むのでしょうか?顔をしかめる子供の
姿を目の当たりにしたブルードルフィンに、一瞬の隙が生まれます。でも、ビアスがかがみこんだのは
脳カプセルを拾うためでした。再び攻撃に転じるビアス。猛攻を受けたブルードルフィンは変身解除と
なり、岬めぐみの姿に戻ってしまいます。

「弱いな、めぐみ。その心のやさしさが、御前の弱点だ!!」
でも、そんな逆境に追い詰められながら、めぐみはビアスの言葉に毅然と反論します。
「いいえ・・・弱いのは、あなたよ・・・」
「何!?」めぐみの言葉を聞き、狼狽するビアス。
めぐみはビアスに近付き、優しく諭すかのように語り掛けます。
「あなたにこそ、子供の心が残っているわ・・・また人生がやり直せるかもしれないって・・・別な生き方を
すれば、別な人生がある・・・大教授ビアスになるより、そっちの方が素晴らしいかもしれないっていう様に」
「黙れ、黙れ!」
反論するビアスの声は、少年のものではなく、もとのビアスのものに戻っていました。
「あなたはそんな心の底は分かられたくなくて、あんな事を言ったのよ」
「違う!・・・違う・・・」
ビアスは以前の声色で反論しつつも、その語調は段々強さを失い、表情もまた、泣きそうな少年の
ものになっていました。そして、脳カプセルを持つ彼の左手は、小刻みに震えだしています。
「たとえ頭脳はビアスでも、若返った身体は、正直に若さに反応するわ・・・若いって素晴らしい。
生きるって素晴らしい・・・!」

・・・ああ、「さびしげな少年になった親玉」というのは此の辺を見て思った事なんだろうな、と・・・。
でも真情をついているのはあくまでめぐみさん。ひねくれっ子のビアス様は狼狽しつつも、本当の
気持ちを明かしてくれません。あらら、御本人から「真情を吐露する」シーンはなかった!ううむ、
結構記憶違いがハッキリしてしまった・・・。もう16年も前の話とはいえ、私自身『ライブマン』の
オンエア時はもう小学生だったはず。思いのほか豪快だった記憶違いに、我ながらビックリ
させられてしまいました・・・。


・・・さて、私めの記憶にまつわるお話はこのへんにしますが、じつはまだこの時点で前半パートが
まだ終わってません。折角なのでこの後も続けましょう。


「言うな!」まるで都合の悪い事に蓋をするかの様に、ビアスはケンプの脳カプセルでめぐみにとどめを
差そうとしますが、・・・いつもは激しい攻撃を発する筈の脳カプセルが、全く反応しない・・・!突然の
異変に驚くビアス。その時・・・

「オレも、オレも戻りたい・・・!」
脳カプセルから、ケンプの声が・・・!これにはビアスばかりか、めぐみも驚きを隠せません。
「懐かしい、子供のあの日へ・・・」
ケンプの声は続きます。駆けつけた他のライブマン4人も、ただ驚くばかりです。
「やり直せるなら、もう一度・・・ッ!」

なんと、最後までビアス様に忠誠を貫いていた筈のケンプ迄もが、ここに至って、遂にビアスを
裏切ったのです。ケンプの脳が不思議な光を放つと同時に、ヅノーベースに残されていた他の
千点頭脳(前々からビアスが野望達成の為に集めていたもの。ケンプの脳は最後の1個でした)も
発光しだし、身体を返せ、青春を返せと声を上げ出します。それぞれの光の奔流はだんだんと高まって
逆流し、ケンプの脳カプセルへと流れ込みました。光の奔流はビアスを包み、彼の手から離れた
脳カプセルは、爆発を起こしてしまいました。

嘗て、ビアスが千点頭脳を部下達に競わせていたのは、いずれその脳を取り出し自らの糧とする
為だと部下達が知った時、ケンプの最後の競争相手だったドクターマゼンダはビアスの許から逃散し、
脳をメカ化した挙句に、ビアスに誅されます。その様を見ていたにも拘らず、ケンプはビアスへの
盲愛的忠誠を続け、千点頭脳となった時には自らその脳を進んで捧げ、残された肉体もまた「恐獣
ヅノー」となってライブマンと戦い、何もかもをビアスに捧げ切り、散った筈でした。そんなケンプの
脳が、事ここに至って、ビアスを捨てたのです。

「おのれケンプ、よくもこの私に逆らったな・・・!」
爆発が収まった時、若き少年王の姿は既に無く、そこには老いさらばえた抜け殻のようなビアスの
姿がありました。以前、ヅノーベースでレッドファルコンに追い詰められて老化した折より疲弊の色が
濃いのは、完全なる僕であった筈のケンプに裏切られた衝撃もあるのでしょうか。そんなビアスの
許に駆けつけたのは、ガードノイドのガッシュ。ほんとうにビアスに最期まで忠誠を尽くしたのは、
皮肉にもロボットの彼だけでした。デンシヅノーや戦闘兵ジンマーに後を任せ、二人は戦線を離れます。
ライブマン達は変身し、デンシヅノー達にに立ち向かいました。

ビアスに肩を貸しつつ逃げるガッシュの前に、デンシヅノー達を振り切ったレッドファルコンが
立ちはだかります。最早一人で歩く気力も残されていないビアスを休ませ、ガッシュはレッドファルコンに
立ち向かいますが、激闘の末レッドファルコンの剣の前に破れ、ガッシュは右腕を落とされた挙句、
ファルコンブレイクにより其の身を切り刻まれ、爆発を起こし倒れてしまいます。傍らに力なく座り込む
ビアスには、もうなす術がありません。

ガッシュを破り、デンシヅノーとの戦いに戻ったレッドファルコンと共に、ライブマンは見事必殺の
バイモーションバスターでデンシヅノーを破ります。これで残すはビアス只一人、と思われたその時、
背後に人影が-!

「ギガ・・・ファントム!」
傷だらけのガッシュが立ち上がり、右腕を失いながらも、巨大化ビームを放ったのです。

続いてガッシュは、もう動けず倒れ伏しているビアスを再び助け起こし、今はもう残骸に近い有様の
ヅノーベースへと導きます。「ヅノーベース、発進・・・」振り絞るようにビアスは呟きます。何とかヅノー
ベースに辿り着いたガッシュは、ボロボロの司令室に残された玉座に、ビアスを座らせました。
ビアスはメインエンジン噴射を命じますが、その声に力は無く、はっきりとは聞き取れぬ程・・・ガッシュは
ヅノーベースに届く様、主の言葉をはっきりと復唱します。

しかし、その間に、巨大化したデンシヅノーはスーパーライブロボ渾身のスーパービッグバーストの
一撃により、倒されてしまいました。その爆発のあおりか、或いはヅノーベースのシステムが破壊
し尽くされていたせいか・・・ヅノーベースが、ビアスとガッシュの言葉に従う事はありませんでした。
デンシヅノーが倒れたと同時に、ヅノーベースが爆発し始めてしまったのです。


「何だ、これは・・・?」
次々と巻き起こる爆発の轟音-既に目も見えないのか、ビアスはその音の正体をガッシュに問いました。
「花火です・・・ビアス様の地球征服をお祝いする花火です!」
「おお、そうか・・・素晴らしい・・・」
ひざまずくガッシュの言葉に、ぐったりとしていたビアスは顔を上げました。
花火の音に混じり、どこからか、ビアスの栄光を称える声が聞えてきます。
「ガッシュ・・・聞こえるか、こ、この声が・・・!」
ビアスは、手探りでガッシュを探しています。其の手を、ガッシュは残された左手で、しっかりと
取りました。爆発の音は次第に高まり、司令室の中も、激しく崩壊しだしています。ビアスの
聞いた崇拝の声は、滅び行く彼の幻聴に過ぎなかったのかもしれません。だけれども-
ガッシュは主に寄り添い、その手を一層力強く握り締めて立ち上がり、声高に叫びました。

「はい・・・全人類が、ビアス様を称えております。・・・ビバ!ビアス!!」

それが、ふたりの最期となりました。ヅノーベース司令室は爆発と共に崩壊し、ビアスとガッシュは、
燃え盛る業火の中へと消えていきました。

一方、大爆発を起こしたヅノーベースを、戦いを終えたライブマン達は只見つめていました。と、
その眼前に、爆風に飛ばされた「何か」が降って来ます。それは、先刻迄ビアスと共に居た、あの
ガッシュの頭部・・・。共に有ったビアスの運命は、推して知るべしでしょう。それを見つめるライブマン。
やがて、彼等の存在を知ってか知らずか-首だけになったガッシュの右目から、虚空に映像が
投射されます。

それは、ガッシュが記録し続けていた、ボルトとライブマンの戦いの記録でした。その映像を眺めつつ、
美しいものは何一つ映っていないと呟くめぐみ、そしてその言葉に同調する鉄也・純一に、丈や勇介は
改めて地球の美しさと素晴らしさを説きます。ライブマンは改めて命の重さを噛み締め、ボルトとの
戦いの記録を見続けました。そして、その映像が途切れた時-ガッシュの頭部は、地表の亀裂に
飲み込まれ、地の底へと消えていきました。・・・こうして、ボルトは跡形もなく消え去り、ライブマンの
戦いに、遂に終止符が打たれたのです。


・・・『ライブマン』のお話は、これでおしまいです。まるでこれではビアス様とガッシュが主役の
様ですが、最終回はホントにこんなお話だったんです。最初は記憶を確かめる事が主な目的での視聴
でしたが、いやあ素晴らしかった!ビバ・ビアスのみならず、見てるほうとしてはビバ・ガッシュでも
ありました。実は最終回に至るその前の3話(ドクターアシュラ=毒島嵐・ドクターマゼンダ・ドクター
ケンプの最期の回)もよかったのですが、それを書くとトンデモナイ事になるので割愛しました。16年にわたる
自分の記憶違いが判明して一寸凹みましたが、それにしても、拝見できてよかったなぁ、と思いました。
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by kimagure_goten | 2005-08-15 03:47 | 特撮
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