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明治座3月公演「日本橋物語2 恋しぐれ」千秋楽

石橋雅史氏御出演の明治座3月公演「日本橋物語2 恋しぐれ」が、今日千秋楽を迎えました。うまく千秋楽のスケジュールが空いたので行ってまいりました。本公演3度目の観劇です。

物語は、明治~昭和初期を代表する実在の女流文学者・長谷川時雨(演じるは三田佳子さん)を主人公とし、彼女に対して半ば強引に求愛したにも拘らず、浮気を繰り返し続ける伴侶・三上や、時雨自ら主宰した雑誌『女人芸術』に集った、林芙美子達女流文学者との、波乱万丈の日々や心の葛藤を描き上げた舞台です。

今回の舞台での石橋氏の役は、全3幕中、1幕で時雨の甥ッ子に声を掛ける通りすがりの優しい巡査さんの役と、2幕で時雨の夢の中に出て来て彼女を激励する、彼女の亡き父親・深造役の計2役。(本公演は石橋氏以外にも二役が多いんです)02年・04年の明治座公演では、石橋氏は何れも敵役が続いていらっしゃいましたが、今回はどちらの役も、敵役ではありませんでした。

因みに、劇中の時雨の父親は、時雨をして「最初の恋人」と言わしめた方。現役時代は代言人(=弁護士の先駆け)を勤めており、とってもモダンで、颯爽としていて、それでいて江戸っ子気質だった御仁です。(そして実際の時雨の自伝的小説『旧聞日本橋』の中にも、多芸多才で洒落た父親像が描かれております。私自身この作品はサッとしか読めなかったのですが〔<予習不足〕父への深い愛情を垣間見ることができました)




なお、今公演はずっとカーテンコールが無い公演で御座いまして(02年~04年迄は、規模の大小こそ違え、何らかの形でカーテンコールがあった公演ばかり拝見していたので、「まったく無し」には驚きました・・・)、終劇と共に幕が下りてすぐに客電が点き、終了アナウンスが入って、お客さんが退場に移るという段取りだったのですが、千秋楽の本日は、劇が終わって幕が下りても、暫く客電が点かないし、終了のアナウンスも入らない・・・これは、もしかしたら、ひょっとすると・・・!?

そしたら次の瞬間、幕間で用いられた「東京ラプソディ」の音楽と共に、一度は下りた幕が、再び上がったではありませんか!・・・そう、今日は千秋楽という事で、特別にカーテンコールが有ったんです!此は嬉しい!勿論、メインキャストの皆様はカーテンコール総登場でございまして、石橋氏も劇中の長谷川深造の扮装のまま、再び舞台に御登場されました。・・・やっぱり、此も嬉しい!!最後は、御主演の三田佳子さんの御礼のご挨拶と、キャストの皆様御一同での客席への御礼にて締めとなりましたが、劇中の扮装で、白いスーツに白い御帽子を被っていらした(深造さんは江戸時代生まれで没年は大正年間ですが、モダンな官許代言人なので洋装なのです)石橋氏は、御礼の際に帽子をサッと取り、にこやかに客席へ御礼をしていらっしゃいました。

・・・思い返せば、今から約2年半前の02年10月、『ダイナマン』にハマって以降、私が初めて石橋氏の御出演される舞台を拝見しに行ったのも、この明治座でありました。あの時は、初めてナマで石橋氏の舞台を拝見出来たのが余りに嬉しくて、舞台から大分距離のある3階席であっても、石橋氏の姿を追うオペラグラスの手がつい震えてしまったものです。・・・あれから、早くも2年半近くの時が経ちましたが、今回再び、石橋氏の舞台を拝見出来た事を、私はしみじみ嬉しく思っています。


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さて、このカーテンコールの際に用いられた「東京ラプソディ」という曲。劇中では3幕の幕間に舞台上の群衆が合唱する形で用いられていたのですが、このメロディがとっても印象的で、聞いたその日より頭から離れないで、無限ループと化しています。これは元々藤山一郎さんが歌っている曲で(藤山さんと言えば「青い山脈」しか知らなかった・・・)、とても良く知られている曲だそうですが、どこか懐かしくも印象的な旋律と判り易い歌詞が、個人的にツボだったのです。なにやら気になってしょうがありません。ちなみに、「東京ラプソディ」は比較的有名な曲だからか、この曲が登場する舞台のシーンでは、「客席の皆様も御一緒に歌いましょう!」的な工夫も為されており、それで観客の方の中には一緒に歌う方もいらっしゃるので、この仕掛けで、館内の歌声は益々大きくなり、一層の盛り上がりを見せる事に・・・。私自身は一人での観劇ばかりな上、とってもシャイなので(苦笑)周りの方と一緒に歌う事はしないのですが、それにしても、こうした趣向も中々楽しいものだよネ、と、毎回しみじみと思いました。


(追記>その後、上記の「東京ラプソディ」を契機に、すっかり懐メロにハマってしまったのでありました・・・)
by kimagure_goten | 2005-03-28 23:37 | 石橋雅史氏御出演作品
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